Igarashi dental Clinic Yokosuka インプラントの五十嵐歯科
月刊「デンタルパワー」インプラント進化論に掲載された、院長と婦長の記事を掲載します。
インプラント進化論12(2002/2/11)

アパタイトブラストインプラント

(ABS)の臨床成績 東京歯科大学講師 日本ロ腔インプラント学会 認定医・指導医五十嵐俊男先生
【緒言】
近年インプラントの開発は目覚ましく、特にインプラント体表面処理技術の進歩には目を見張るものがある。良好なインプラントは、いかに長期間有効に使用されるかである。インプラントの残存率については多くの報告がなされているが、調査期間が短期間であったり複数の施設をまとめた報告が多く、同一施設、同一術者による長期の経過報告は少ない。
そこで当院における25年間のインプラントの表面処理別残存率について検討した結果を報告する。
【調査方法】
1975年〜2000年までの間で不明死亡を除いた追跡可能な患者数308名,埋入本数631本のインプラントを対象とした。
使用インプラントは6種類で表面性状別ではチタン単体(T),単結晶アルミナ(AL),チタンにハイドロキシアパタイトをプラズマ溶射したもの(THP),チタンにハイドロキシアパタイトをコーティングしたもの(TH),チタンにハイドロキシアパタイトを再結晶化したもの(THR),チタンにハイドロキシアパタイトをブラスト(ABS)したものである。
【結果及び考察】
Fig1に結果を示す。それぞれの残存率はT-50% AL60% THP86% TH97% THR98% ABS100%であった。インプラントの残存率に関与する因子は多く、埋入部位、その後の補綴方法、インプラント体の太さや長さなども影響するが、この結果より表面処理状:態が重要である事が示唆された。
【私見】
Table1に経年別残存率を示す。当院では近年ABSを使用しているが、直近3年間の残存率は100%であった。これは症例選択や同一術者の技術や環境の問題もあるがABS処理したインプラントを選択した結果といえるだろう。ブレーンベース社製マイティスインプラントはこの処理がされており、さらにインプラント体の形態も先端をまるめた工夫がされているためソケットリフトやサイナスリフトなどにも使い易い。埋入時には挿入ジグがすでについており手術時間を大幅に短縮できる。
また一連のシステム化されたパーツ類も完成度が高く、このような簡素化された使い易いインプラントの出現は未曾有な不況の中で歯科界の救世主となることが期待される。
【文献】
米田隆紀、高木亮、杉藤庄平、中島三晴、山倉和典、鬼澤徹、北村隆、桑名祐一郎、金子守男、五十嵐俊男、"当医院における骨内インプラントの25年の臨床評価一神奈川県横須賀市・五十嵐歯科医院"日口腔インプラント誌、14(3)119(2001)
インプラント進化論68(2006/10/21)

インプラントオペにおけるアシスタントの役割

日本女子衛生短期大学(現湘南短期大学)卒業 五十嵐歯科医院勤務 宇都宮美香さん 近年インプラント治療が一・般的になり、各歯科医院のスタッフの方々はインプラントオペのアシスタントをする機会が増えてきたと思います。今回は、日頃私がインプラントオペのアシスタントをする上で重要だと考えている事柄を幾つか挙げてみたいと思います。
1.担当医との打ち合わせ
オペまでに担当医と、埋入予定のフィクスチャーの種類、本数、骨や歯肉の状態により使用が予想される生体材料や周辺器具・材料について、オペが両側や上下顎行われる場合の手順など、事前にきちんと確認し不明な点がないようにしておく事が重要です。
2.器具・器械の取り扱いの徹底
アシスタントが器具の取り扱いを徹底しておくことは当然の事ですが、それと同時に器械に何らかのトラブルがあった場合、速やかに対処出来るようにしておくことも大切です。そうしておくことでオペの中断時間も最小限にすることができるでしょう。
3.術式を覚える
術式はドクターだけが解っていればいいと思いがちですが、アシスタントが術式を覚えることはとても重要です。次に使う器具、次にドクターが行う事をアシスタントが理解していればオペがよりスムーズに行われます。これは最大の時間短縮につながり患者さんへの負担も最小限におさえることができるでしょう。
4.患者さんとのコミュニケーション
患者さんは誰でも、オペ前には少なからず緊張しています。それを少しでも解してあげるのもアシスタントの役目です。話し掛けたり、常に側について患者さんが安心してオペに臨めるようにしてあげなければなりません。
5.患者情報の把握
患者さんの既往歴や、血圧、服用中の薬などについて確認しておくことはもちろんですが、義歯使用の有無や、オペ部位の歯の喪失理由、口腔内の清掃状態など、把握しておく事も大切です。これは、オペ後のメンテナンスにも役立ちます。
その他インプラントオペのアシスタントは、患者さんの顔色、反応、担当医の様子、オペの進行状況、診療室の温度等、一度にたくさんの事に対して神経を張り巡らせていないといけません。
まだインプラントオペのアシスタントを経験されていない方々は、大変そうに感じると思いますが、心がけは普段の診療と変わりないと思います。最終的にインプラントの上部構造が入って、入れ歯のなくなった口腔内を見たり患者さんのうれしそうなお顔を見たりすると、ドクターでなくても達成感を感じます。私自身ももっと勉強し、ドクターからアシスタントの指名がくるよう努力したいと思っています。
アシスタント側からのチェックポイント
・バーは歯肉を巻き込んでいませんか?
・ラチェットレンチで口唇をこすっていませんか?
・フィクスチャーはアシスタント側から見ても、骨に埋入されていますか?
・縫合糸で口角を切っていませんか?
・オペの終盤、麻酔がきれてきて患者さんは痛そうにしていませんか?
アシスタントは、オペ以外にも患者さんの全身管理の知識を身に付けなければなりません!術前・術後の血圧測定なども重要です。